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こんにちは。愛媛の工務店「ささき建設」の佐々木佳範です。
「南海トラフ巨大地震が起きたら、愛媛では液状化で全壊する建物が1万6千棟余り。そのうち今治・新居浜・西条の3市で半分以上」――。最近、こんなニュースを目にした方も多いのではないでしょうか。
この記事でわかること

本当なのか、どういう意味なのか。防災士で建築士の私が、愛媛県の資料で数字を確認してみました。
私は以前、地震で液状化した新潟の現場を実際に見に行きました。傾いた建物を持ち上げて直す「曳家(ひきや)」の工事も見学させていただきました。
また去年、愛媛大学の先生(だったと記憶しています)のお話を聞きに行ったとき、「新居浜や西条は結構浸かるよ」と、津波や液状化のリスクについて話されていたのを今でも覚えています。
地元の愛媛が大好きで、大事な人もたくさんいます。防災も、耐震も、断熱も、知識があるかないかで備え方が変わる。だからこそ、このニュースはしっかり確認しておきたいと思いました。
ちょうど11月4日には、新居浜市で、液状化や地盤沈下で寸断された道路を復旧させる訓練が、南海トラフ巨大地震に備えて行われたこともニュースになっていました。
愛媛県が2026年2月に公表した「愛媛県地震被害想定調査 最終報告」(南海トラフ巨大地震)を見てみました。

ニュースのとおり、3市で半分以上というのはホントでした。一番多いのは今治市。松山市もかなり多いのですが、やはり東予の平野部や海沿いが影響を受けやすいと感じます。
気になるのは、被害全体は減ったのに、液状化だけは増えたことです。

全体が減った理由は、県の資料では「震度6強以上の面積が縮小した結果、揺れ及び火災による被害が大幅に減少した」と説明されています。住まいの耐震化も進んでいて、県の資料では令和5年時点の耐震化率は86.4%とされています。
一方で、液状化が増えた理由は、私が調べた範囲でははっきりとは見つけられませんでした。計算の前提が変わったのかな、とも思いますが、くわしい方がいらっしゃったらぜひ教えてください。
私がいつもお伝えしている「耐震化」は、揺れには効きます。
でも液状化は、家の下の地面が泥水のようになって、建物が沈んだり傾いたりする現象です。建物をどれだけ強くしても、液状化そのものは防げません。
もちろん、だからといって耐震補強をしなくていい理由にはなりません。地震で断層がずれる瞬間が防犯カメラに映った映像を見たこともあります。実際にどうなるかは誰にもわかりませんが、できることはやっておく。それが大事だと思います。
結局、私が一番お伝えしたいのはこれです。
私の地元・新居浜にも池があります。もしあふれたり決壊したりしたら、どんな被害になるのか、どこまで影響が出るのか。液状化だけでなく、洪水や津波も含めて、一度ハザードマップで確かめておくと安心です。
松山も今治も新居浜も西条も四国中央も、瀬戸内海のすばらしい景色が見える町です。その一方で、液状化のリスクもあるということは、知っておいた方がいいと思います。
あわせて、耐震化・家具の固定・感震ブレーカーの設置など、液状化以外の備えもしておきましょう。

建築士で防災士ですが、資格だけでは食べていけません。大事なのは、いざというときに役立つ知識とサバイバル能力だと思っています。キャンプのスキル、火おこし、川の水をどうやって飲める水にするか……。好奇心のままに、いろいろ計画を立てて行動していきたいと思います。
Q. 愛媛で液状化による全壊は何棟と想定されていますか?
A. 愛媛県地震被害想定調査 最終報告(2026年2月公表・南海トラフ巨大地震)では、液状化による全壊は16,812棟です。前回想定(10,642棟)の約1.6倍になっています。
Q. 今治・新居浜・西条で半分以上というのは本当ですか?
A. 本当です。今治市5,571棟、新居浜市1,839棟、西条市1,627棟の合計9,037棟で、県全体の約54%にあたります。
Q. 耐震化すれば液状化も防げますか?
A. 耐震化は揺れによる倒壊を防ぐのに効果的ですが、液状化は地面そのものが泥水のようになり建物が沈んだり傾いたりする現象なので、建物を強くするだけでは防げません。家を建てる・買う前にハザードマップで液状化のリスクを確認し、必要に応じて地盤の対策を検討しましょう。
土地選びや、ハザードマップを踏まえた家づくり・耐震リフォームについて、お気軽にご相談ください。