家の外から耐震補強できる「アイワン工法」とは|住みながら工事できる仕組みと注意点 ブログ

家の外から耐震補強できる「アイワン工法」とは|住みながら工事できる仕組みと注意点

こんにちは。愛媛の工務店「ささき建設」の佐々木佳範です。

昨日は名古屋に出張しているお話をしましたが、今日はその中身のご報告です。「アイワン工法」という耐震補強の講習を受けてきました。

この記事でわかること

  • 家の外から耐震補強できる「アイワン工法」のしくみ
  • 室内工事なし・外装そのままで工事できるメリット
  • 使えない場所など、知っておきたい注意点
家の外から耐震補強 アイワン工法とは 愛媛の工務店ささき建設

愛媛ではほとんど見る機会がない工法だと思います。建築士でも知っている人が少ない、ちょっとマニアックな話ですが、学んだことは話したほうが自分の中にも残るので、アウトプットさせてください。

アイワン工法とは?ひと言でいうと

ひと言でいうと、アイワン工法は、

  • 家の外側から
  • 梁(はり)と基礎を、斜めの鉄の棒(ブレース)でつないで
  • 地震の揺れに強くする

木造住宅向けの耐震補強です。

名古屋工業大学と共同で開発された工法で、愛知県内の3つの国立大学(名古屋大学・名古屋工業大学・豊橋技術科学大学)や県・建築関係団体でつくる協議会が、低コストの耐震改修工法の一つとして評価しています。

アイワン工法のしくみ。家の外側から梁と基礎を斜めのブレースでつなぐ

なぜ今、耐震補強なのか

1995年の阪神・淡路大震災では、木造住宅の倒壊が大きな被害につながりました。その原因として、

  • 筋交い(すじかい)など、地震に耐える壁が足りない
  • 壁の配置がかたよっている(バランスが悪い)
  • 柱と基礎のつなぎ(接合部)が弱い

といった点が指摘されています。

名古屋は南海トラフ地震の影響を受けやすい地域。愛媛も同じです。いつ起きてもおかしくない地震に備えて、安く・早く・暮らしを止めずにできる補強方法が求められています。

アイワン工法の4つのメリット

  • 室内の工事がいらない:建物の外側から工事できるので、職人さんが家の中に入らず、日常生活への支障が少ない
  • 外装材はそのまま:外壁をはがさずに施工するので、足場や補修・仕上げの工事が簡単
  • 工期が短い
  • コストを抑えられる

さらに、窓をつぶさずに施工できるのも大きなポイントです。

アイワン工法のメリット。室内工事なし、外装そのまま、工期が短い、コストを抑える

注意点:どこにでも付けられるわけではない

ブレースは斜めに取り付けるので、

  • 掃き出し窓など、人が出入りする所は足が引っかかって邪魔になる → 腰窓のように、またがない窓まわりなら使いやすい
  • 出窓や雨戸が付いている所は、ブレースがきれいに付かないので難しい
  • 基礎にひどいひび割れ(クラック)がある所は注意が必要

建物ごとに「使える場所・使えない場所」の見極めが大事です。

私自身のこと:講習で教わった現場のポイント

講習は6〜7人ほどの少人数で、大分や静岡など全国から工務店の方が集まっていました。隣に座った方は、一般のお客さんから「こういう工法があるみたいですけど」と聞かれたそうです。勉強されているお客さんが増えているんだなと感じました。

講習では、施工の細かいポイントも教わりました。

  • 外から穴を開けてワンサイドボルトという特殊なボルトを梁や基礎に取り付け、ターンバックル(締め付けて長さを調整できる部品)付きのブレースでつなぐ
  • 梁の高さ(梁せい)は150mm以上が目安。細い梁だと、ブレースより先に梁が負けてしまう
  • 無筋の基礎や、強度が低めのコンクリート基礎でも対応できるケースがある
  • ブレースは基本的に梁の真ん中に付ける

開発した鉄工所の方も来られていて、「いろんな大学に持ち込んでも見向きもされなかったけど、名古屋工業大学の井戸田先生だけは興味を持ってくれた」という裏話も聞けました。

「知っているかどうか」で、できることが変わる

今回いちばん感じたのは、こういう工法があると知っているかどうかで、提案の幅が変わるということです。

「この家はもう無理やな」と諦めてしまうところを、「こういう方法もあるけん、一回確認してみようか」と気づけるかどうか。それが、お客さんの家と暮らしを守ることにつながると思っています。

新しい方法は、食わず嫌いせずにまず学ぶ。リスクが大きいことは無理にやらないけれど、知らないだけでチャンスを逃すのはもったいない。誰かが言っていることもちゃんと疑いながら、自分の頭で考えて決めていきたいと思います。

よくある質問

Q. 住みながら耐震補強はできますか?
A. アイワン工法のように家の外側から補強する方法なら、室内の工事をせずに住みながら工事できる場合があります。建物の状態で使える工法が変わるので、まずは耐震診断で家の状態を確認するのがおすすめです。

Q. アイワン工法はどんな家でも使えますか?
A. いいえ。掃き出し窓や出窓・雨戸がある所、梁が細い所、基礎のひび割れがひどい所などは向かないことがあります。現地で取り付けられる場所を確認してから計画します。

Q. 耐震補強の相談はどうすればいいですか?
A. ささき建設では耐震診断や耐震補強のご相談をお受けしています。工事中の暮らし方が心配な方も、お気軽にご相談ください。

まとめ

  • アイワン工法は、家の外側から梁と基礎をブレースでつなぐ木造住宅向けの耐震補強
  • 室内工事がいらず、外装もそのまま。工期が短く、コストも抑えやすい
  • 掃き出し窓・出窓・雨戸の所など、付けられない場所もあるので見極めが大事
  • 工法を知っていることで、「無理」と諦めていた家にも選択肢が生まれる

「住みながら耐震補強できる?」「うちの家はどうだろう?」という方は、お気軽にご相談ください。

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