夏と冬、空調計画が難しいのはどっち?高気密高断熱の家で建築士が考える快適な家づくり ブログ

夏と冬、空調計画が難しいのはどっち?高気密高断熱の家で建築士が考える快適な家づくり

こんにちは。愛媛の工務店「ささき建設」の佐々木佳範です。

「夏と冬、家を快適にするのはどっちが難しいの?」というご質問をいただくことがあります。

弊社では5年ほど前から、冬は床下エアコン、夏は小屋裏エアコンという全館空調に近い仕組みを取り入れてきました。その経験から言うと、冬の方が簡単で、夏の方が難しいと考えています。

この記事でわかること

  • 冬を快適にする設計のコツ(太陽に素直な設計)
  • 冬が「簡単」と言える性能の目安(C値・UA値)
  • 夏の空調計画が難しい理由と、湿度まで下げる工夫
冬と夏、快適にする難しさの違い

冬を快適にするカギは「太陽に素直な設計」

新築で大事にしているのが、松尾設計室の松尾さんが提唱されている「太陽に素直な設計」です。窓の向きによって、役割をはっきり分けて考えます。

■ 南の窓:大きくして日射を取り込む
冬の太陽の光と熱を、南の窓からしっかり取り込みます。南に窓が少ない家は暖房のエネルギーが多く必要になり、電気代もかかりやすくなります。

■ 東・西・北の窓:日差しを遮る工夫をする
夏の日差しが入ると、とても暑くなりやすい窓です。窓の大きさや日よけを計画します。

冬が簡単と言える前提は「高気密高断熱」

冬が簡単と言えるのは、家の性能がしっかりしていることが前提です。目安はこちらです。

性能 目安 ささき建設の場合
C値(すき間の量) 1.0以下 基本0.2前後
(グラスウール+気密シート)
UA値(断熱性能) 0.46以下 0.3台になることも多い

この性能があれば、冬は床下エアコンだけで家じゅう快適に過ごせます。

晴れた日中は、日射取得ができていればエアコンをつけなくても快適なことがほとんどです。

冬が簡単な理由と性能の目安

夏の空調計画が難しい3つの理由

① 日射遮蔽が欠かせない
夏は日差しを遮る「日射遮蔽」がとても大事です。基本的には快適になりますが、小屋裏エアコンが効きにくいなどで対応にうかがったこともあります。

② エアコンの中で結露が起きる
冷房をするとエアコン内部で結露が起きます。ドレンホースが詰まると逆流して、エアコン本体から水が漏れることもあります。

③ 年々、暑さが増している
温暖化で外がますます暑くなり、夏に考えることはこれからさらに増えていきます。

夏は湿度まで設計する

夏の対策としておすすめなのが、第一種換気(トルネックスなど)とエアコンを組み合わせて湿度を下げる方法です。

実際に建てさせていただいたお宅では、外が湿度70〜80%の日でも、室内は室温26〜27℃・湿度40%前後で過ごせています。

夏を快適にする3つのポイント

よくある質問

Q. 床下エアコンだけで、冬は本当に暖かいですか?
A. 高気密高断熱(C値1.0以下・UA値0.46以下が目安)で、南の窓から日射を取り込める設計であれば、床下エアコンだけで家じゅう快適に過ごせます。性能や間取りで変わるので、計画段階での確認が大切です。

Q. 夏の空調で一番気をつけることは?
A. まずは日射遮蔽です。そのうえで、冷房時の結露・水漏れ対策と、換気と組み合わせた湿度のコントロールを計画します。

まとめ

  • 冬は「太陽に素直な設計」+高気密高断熱で、床下エアコンだけでも快適に
  • 夏は日射遮蔽が大事。冷房時のエアコンの結露・水漏れにも注意
  • 換気とエアコンで湿度まで下げると、夏も快適に過ごせる

日射遮蔽をしながら空調計画をしっかり立てることは、新築だけでなくリフォームやリノベーションでも当たり前になっていくと思います。

夏も冬も快適な家づくりについて、お気軽にご相談ください。

音声でも詳しく話しています。
stand.fm「#622 家の快適性!夏と冬どっちの方が空調計画難しい?」

PAGE TOP