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結論:土壁は、古いからすべて壊す必要も、自然素材だから無条件に残す必要もありません。防火・蓄熱・調湿・遮音という特徴を生かしながら、耐震と断熱は建物全体で確認・補強します。
こんにちは。愛媛県四国中央市で工務店「ささき建設」を営む、佐々木佳範です。今回は古民家改修で迷いやすい「土壁の性能」を、強み4つと注意点2つに整理します。

| 区分 | 項目 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 強み | 防火 | 壁厚・下地・開口部など壁全体の仕様で性能が変わる |
| 強み | 蓄熱 | 熱をため、温度変化を緩やかにする |
| 強み | 調湿 | 吸放湿するが、換気や雨漏り対策の代わりではない |
| 強み | 遮音 | 重さと厚みが有利に働くが、建物重量も考慮する |
| 注意点 | 耐震 | 壁だけでなく建物全体を診断する |
| 注意点 | 断熱 | 断熱材・気流止め・結露対策を一体で計画する |

土壁も、仕様によって構造要素になり得ます。ただし、土壁があるだけで現在必要な耐震性能を満たしているとは判断できません。
これらを含む建物全体の耐震診断が必要です。
条件が合えば可能です。愛知建築地震災害軽減システム研究協議会の手引きには、土壁を生かしながら構造用合板で補強する評価仕様が掲載されています。
ただし、合板を張れば一律に安全になるわけではありません。壁厚、貫、柱寸法、金物、留め付け方法などの適用条件があります。専門家が診断し、建物全体の補強計画として設計します。
土壁には熱をためる「蓄熱性」がありますが、熱を伝えにくくする「断熱性」とは別です。土壁単体の熱抵抗だけで、現代の住宅に求める断熱性能を確保するのは難しい場合があります。
土壁を残す断熱改修では、次の点を一体で考えます。

土壁も構造要素になり得ますが、土壁の有無だけでは判断できません。仕様、劣化、壁配置、接合部、基礎、屋根重量を含めて診断します。
蓄熱・調湿の特徴はありますが、断熱、日射遮蔽、気密、換気、窓性能などとの組み合わせで室内環境は変わります。
建物の状態と納まりによっては可能です。ただし、断熱材の追加だけでなく、気流止めと結露対策を専門家が検討する必要があります。
土壁の価値は、強みと注意点の両方を知ることで生かせます。古いから壊す、自然素材だから残す、と決めつけず、建物全体を調べて判断しましょう。
詳しい音声はこちら:
https://stand.fm/episodes/6aaf6a99e2e857687c74215a
この記事を書いた人:
佐々木佳範。愛媛県四国中央市の工務店「ささき建設」代表。設計・施工・維持管理の視点から、地域に合った家づくりを発信しています。